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台所は家庭の薬局

今日の家庭において包丁やまな板などの調理道具が自宅にないお家がある…と聞いたことがあります。飽食の時代と言われて久しい日本において、過剰とも思えるほどに発達した外食産業やスーパー・コンビニなどのお弁当やお惣菜、チルド食品、冷凍食品。カット野菜なども充実して売られていることを考えると、もはや家庭で調理などしなくても食べる事に困ることもないのかも知れませんね。

本来「食べる」ということは自身の夢や希望を叶えるために行動する体を維持して命を繋ぐこと。しかし、忙しい現代の人々の「食べる」という行為にかける時間はとても短くなっています。調理は時短や手軽さが重視され、季節を無視した食材、そして何よりも、ひと口の噛む回数が少なく飲み込める食事が好まれています。

わたしがマクロビオティックの料理教室に通い始め、最初に教わった言葉が「台所は家庭の薬局」ということでした。

人の体というのは、コンディションが常に一定ではありません。目覚めスッキリの日もあれば、そうじゃない日もあります。そんな体のコンディションによって食べるものを変える必要がある。というのです。

考えてみればそうですよね!元気な時に美味しい食事は、風邪で熱が出て苦しんでる時には食べたいと思えません。お粥などシンプルで温かいものを少量でいいのです。それは、体が食べ物の消化吸収に体力を使うよりもウイルスや病原菌などと戦って正常な体に戻す方に集中したいから。だからわざと食欲も湧かないようにしているのです。

そういった「体の声」を聴き、その時の体調を見ながら調理法や味付けなどを調節することで不調を感じることのない快適な体になることができますよ!ということなのです。

食べ物には本来、体を養う栄養素だけではなく、その食べ物に宿る生命力があります。その生きる力をいただく事によって、人も健康を保つことができるのです。

手間ひまかけて食べる人のことを思って作られた食事というのは、食べるとお腹だけではなく心も満たされます。

忙しくて毎食に手間ひまかけるのは難しいかも知れませんが、お休みの日など、少し時間がある時にご自身やご家族を労うため、土付きの野菜を洗うところから調理してみるのも良いのではないでしょうか。

なぜ食べるのか。何を食べるのか。どう食べるのか。ゆっくりと時間をかけ食材の持つ本来のエネルギーを感じながら摂る食事の後は、体調の感じ方に変化があるかも知れません。

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